母心

愛媛県立中央病院入院中の1991年に54才で亡くなった母の日記です。

1980年11月26日

急に起こされびっくりして目を覚ます。十亀さんが立っている。帰って来たのでお金返すという。私はあげたつもりでいたから嬉しかった。6時検温。7時朝食時間。7時40分美智子、時夫来る。すぐに注射しに行き戻って来る。すぐ朝食して下に下りると待合室にいてた。そばに行くと買い物があるのでこれから行くという。10時過ぎに来てなかったらそのまま帰るからとのこと。美智子連れて3階の自室に戻る。

9時半シーツ交換のため面会室に行く。テレビ見てもおもしろくないので自室に戻りかけてみると処置室前で待っているのでそのまま待つことにする。番がきて診てもらう。済んで自室に戻る。9時40分美智子靴買いに行くというので途中まで連れて行く。10時20分美智子戻って来る。

10時半治療受けに行く。その間時夫君戻って来たら一緒に帰るよう言って美智子面会室に連れていき私は1階に下りる。10時50分終わって美智子に会い3階の自室に戻り財布持って1階の売店に下りる。おかずを買って車の所へ行くと時夫いない。また3階に上がり自室に戻る。

11時昼食時間になる。時夫戻って、帰るので送っていく。12時半久保さん見えて今日午後よりまた耳に少し穴を開けるそうだ。また痛い思いをしなくてはいけないのでかわいそうだ。しばらくして十亀さんのご主人見える。色々話をするが半分しかわからない。お金を自宅より持って来たがみんな使ってパーになったらしい。酒に変わってしまったという。良く酒を飲むのでお金なくなるんだ。奥さんがかわいそう。入院している時くらいはお酒慎むべきだと思う。

2時半検温時間だが体温計置いてないので測ることできないので脈だけ測っていく。一昨日都筑さんという方が入院して昨日手術した。鼻のところだから局部麻酔で1時間位かかったらしい。早今日は起きてなんでもしている。付き添いさんもいない。大概1週間くらいで退院だろう。今日また女の人が入院して来た。赤ちゃんでまだおっぱい飲むので大変だと思う。お母さんと思うが、付き添いなのか赤ちゃんのお守りなのか来ている。きれいで若い婦人だから若い先生は惚れるのじゃないかしら。さぞ看護婦さんが焼きもち焼くだろうに。面白い。

3時15分久保さんの様子見に行くともう出て行ってベッドは空だった。十亀さんと話をしてるうちに久保さん戻って来る。3時45分だった。ちょうど1時間かかったわけだ。やはり電気ドリルで軟骨を削ったらしい。怖いものよ。2回も痛い思いをしてかわいそうな人よ。

4時夕食時間になる。都筑さんはごはん頃になると戻って来るとお調子言うけど、慣れた部屋で慣れた人と話をするのが楽しいのでつい長話になってしまう。食事終わって日記書く。またも十亀さんのご主人来る。お金貸してくれという。困った人だ。貸すまいと思ったが随分お世話になったしもらったりした手前貸さずにいれないので貸すことにした。1200円だけど。

それから本読んでたら眠くなったので寝ることにした。7時検温時間。37度あった。8時40分久保さんが大分いいとのことで様子見に行く。熱もなく痛みもないしさっぱりした感じだという。これで都合良くいくかもしれない。今度は順調に行き2週間で退院できるかもしれないと思う。思い切ってして良かった。ひとごとながら本当に良かった。

9時消灯時間になったので自室に戻りベッドで寝ることにした。なかなか寝付かれず弱ったけどそのうちに眠ったらしい。