母心

愛媛県立中央病院入院中の1991年に54才で亡くなった母の日記です。

1980年12月2日

6時検温。36.3度。7時20分夫が美智子連れて来る。早速注射してみそ汁食べて車で夫と一緒に帰る。外まで見送ってすぐ自室に入る。10時20分治療受けに下りる。10時半終わって放射線科の診察室に入り11時10分ようやく番来て診察受ける。首を押さえて見る。英語で書くのでわからない。良くなってるのやらどうなってるのやらわからない。

今で終わったと思ったら間違い、これからが大変だ、ひどくなるんだから覚悟しときなさいという。私は前から覚悟してるつもりだ。3階に上がって自室に戻り食事する。終わって地下の食堂に行く。キャンデーとおかずがおいしそうなのがあったので買って戻る。

2時半検温。36.4度ある。平熱に戻る。3時半風呂に入る。体中入れないし洗えないのが残念だ。それに髪を洗えない。でも少しでも洗えて入れるのが幸いと思わないと罰が当たる。4時夕食時間。おいしく今晩も食べれた。食べたい物は今うんと食べておこう。そのうち食べたくても食べれないから。

4時40分売店に行き本を買う。久保さんにアイスクリームをもらって食べる。十亀さんにお菓子もらう。テレビ見てると時間経つの早いものだ。6時になったので312号室に戻る。6時35分夫来る。雨がひどかったら来なくて良い、小雨だったらおいでと言っておいたので夫だけ来る。おかずだけ持ったらさっさと帰る。

出口まで見送り自室に戻る。しばらくしておもち食べようと思い口にした所、喉が狭くなってる所に沢山詰めるので下に下りにくくなりもう少しで窒息しそうになる。苦しいので吐き出してしまったので助かった。お茶飲んだらむせてしまう。いやしいこと止めよう。あまり固いのやら飲み込みにくいのは食べないことにする。

7時半検温。36.7度あった。少しは熱が下がりつつある。8時真悟捕物帳があるので久保さんに見せてもらうことにして行く。9時消灯時間で知らせあり。時夫君は今日も行って洗ってもらったそうだが痛みも大分軽くなったらしい。明日も洗いに行くらしいので美智子は夫に連れて来てもらう様言っておいたからきっと車で連れて来てくれると思う。美智子心配してるかしら。時夫君を養生させるために夫に頼んで連れて来てもらうより他ない。夫も時夫君の有難味わかってくれただろうか。