母心

愛媛県立中央病院入院中の1991年に54才で亡くなった母の日記です。

1980年12月13日

外は冬将軍到来。病棟は暖房が入ってぬくい。でも堂々と外に出て思い切り胸を張り腕を伸ばしたい。いつも外までしか送れないし、こそこそと買い物にしか行けない。もう少しの辛抱と思いとうとう1ヶ月半経った。

6時半検温。36.5度。7時朝食時間。食欲あって喉が痛いのでパン半分しか食べないしその変わりどら焼き食べる。しばらく眠った。9時そろそろ美智子来る頃だろう。風邪気味だったが治ったら良いけどどんなだろう。心配だ。私が外出できたら良いのだがそれもできないから夫に頼るしか無い。

11時昼食。今日は25分も遅れて昼食がある。放送しないけど名前呼んでいるので取りに行く。前よりちょっと飲み込みにくいし痛いけど食べることできた。2時迄寝ようと思って寝ていたら美智子がひょっこり見える。エレベーターの前で椅子に座り話してると夫来る。

主人と美智子食堂で定食食べる。主人と美智子買い物へ行くという。ちゃんちゃんこ買って来てくれるという。窓から見ていると雪が降っている。初雪や 鳩が舞い散る 雪の舞

2時35分本読む。4時夕食時間。金高さんよりおかずもらう。美智子に持たせるためにパックに入れる。喉痛くてもこらえて食べる。5時村田さんの隣の人退院する。半分以上ベッド空いて淋しい。いつまで退院の人を見送らなくてはいけないのだろう。

1時前久保さん見えた。同じく耳だれ出るそう。仕事休みにして明日も来るからと言ってた。前の髪切って垂しているのでとっても若く可愛く見える。美智子はジャンパーとカーデガン買ってくる。私にははんてんと思ってたら上っ張りだった。美智子の見立てといって少し派手と思ったがまあいいだろう。折角買ってくれたのだから辛抱して着よう。

7時帰る。検温37.2度ある。少し微熱あるけど風邪気味なのかしら。気を付けなければいけないと思う。消灯までテレビ見る。