母心

愛媛県立中央病院入院中の1991年に54才で亡くなった母の日記です。

1980年12月11日

6時カーテンを開ける。6時半検温36.6度。7時朝食。喉痛く食べる気しない。7時半洗濯。乾燥機内で干す。9時隣のベッドの篠崎さん耳の手術のため手術室に行く。美智子来る。注射して朝食。11時までいておかず持って行かせる。

10時40分治療受けに行く。11時10分昼食時間。11時50分美智子見送っていく。淋しく帰って行く後ろ姿見てると何だか一緒に帰りたくなる。まっすぐ地下食堂に食べに行く。焼き飯にする。知った先生が次々とくるので急いで出たのに運悪く1階に上がりしな田中先生と高須賀先生に会い難しい顔をしていた。ちゃんと食事が出ているのに食堂で食べてと思ったのに違いない。怒ったような顔してたが偶然会ったにせよあんな顔しなくても良いのにと思う。プリンと本を売店で買って戻る。

1時本を読んでたら十亀さんのご主人見える。寿司買って来たのに奥さんがいないので私の所にいると思って来たという。歩いて来て足が痛いという。お陰で千円貸すはめになった。308号室に行くと十亀さんいてた。握りと刺身もらって食べる。1時50分ご主人帰るというのでエレベーターまで送って行く。

2時検温。36.8度あった。3時に電話してくれと美智子に頼まれていたのを忘れていた。本読みながら寝ていると眠くなった。4時夕食時間。6時15分外まで迎えに出たけど姿見えないので面会室に戻り電話するとまだいてた。これから出るところだという。時夫に変わって話をしていると今日吉田さんのご主人見えて奥さん来てないかとたずねたらしい。また駆け落ちしたのかしら。まさかと思うがどこか女友達の所へ寄って話でもしてるのじゃないかしら。私はそう思う。

私は心配になり外に迎えに出ると夫に連れられて来てたのに夫は私の姿見て美智子だけ来て夫はきびす返して行く。食事しに行くのだろう。弁当箱だけ持って来ていたから。しばらくしたら夫来る。7時検温時間。36.5度。美智子おなか空いたので帰るというので外まで送って行く。十亀さんの部屋へ行きみかんもらって食べてたら消灯時間になる。